
はりおそうしんじょ むせんとう
針尾送信所無線塔
Wireless Towers of Hario Transmiting Station 
DATA
建物名:針尾送信所無線塔
設計者:吉田直(よしだのぶる)/旧日本海軍
所在地:長崎県佐世保市針尾中町
用途:通信設備
構造:鉄筋コンクリート造
竣工:1922(大正11)年
備考:現在は使われていない
交通:
- 車=西九州自動車道佐世保大塔ICで降りる>国道205号線>ハウステンボス>西海パールライン(有料道路)>針尾
- バス=JR佐世保駅前から西肥バス・西海橋行きに乗り約50分。高畑で下車し、徒歩約15分
周辺地図(Mapionへのリンク)
テーマパークのハウステンボスを横目に車を走らせること十数分。長崎地方を良く知る方なら西海橋の近くと言えばお分かりでしょうか。やがて3本の塔が視界に入ってきます。一見、何の変哲もない煙突のように思えます。しかし妙に存在感があり、それは接近するにつれて非常に強くなっていきます。何故かというと並の煙突よりはるかに高さがあるからです。
実はこの塔は煙突ではありません。元々は旧日本海軍によって建てられた軍事用の無線送信塔で、戦後は佐世保海上保安部の施設として使われてきました。しかし1997年に代替施設に役目が移ったため、今は何の機能も持たない鉄筋コンクリートの巨大な塔として静かに立っています。
01 直線距離でおよそ2kmほど離れた地点からの眺め。この近辺は海が複雑に入り組んだ風光明媚な土地として知られていて、手前の緑と塔が建っている場所との間は入り江となっています。本当は入り江を含んだ写真を撮りたかったのですが、日没が迫っていたので撮影ポイントを探す余裕がありませんでした。
周囲に人工物がほとんどないので塔の高さがいまいちピンとこないかと思います。なにしろスケール感が掴みにくくて私のウデでは写真はどれも「ただの煙突」にしか見えません。それでもどうにかスケール感が伝わりそうな画像を選んだつもりです。
02 塔の周りは雑木林、手前の緑はミカン畑です。のどかな風景の中に屹立する3本の塔は異様というか、現実離れした光景ですね。塔は1辺300mの正三角形を成すように建ち、かつてはこれらの間にケーブルが張られていたとのこと。
03 この画像だと高さが分かりやすいと思います。右の矢印は入母屋の屋根を持つ2階建ての立派な木造住宅を、左の矢印は自動車を指しています。塔の基部と自動車の部分の拡大が
この画像です。左下に2台の車が止まっています(青いのはブルーシート)。塔の尋常ならざる巨大さがお分かりでしょうか。
04 2号塔を別の角度から見たところ。フェンスの向こうが佐世保海上保安部の敷地となります。
05 よく見ると塔の中間付近に何か突起物があるようですが、用途はわかりません。
06 周りはミカン畑なのでこのお宅もミカン農家でしょう。建造が大正11年ですから、ヨソ者には異様に見えても地元のほとんどの人にとっては生まれたときからあるわけで、これが故郷の日常風景なのです。
07、08 密林にそびえる謎の古代文明の遺跡のような雰囲気が漂います。仕上げが非常にキレイですよね。実際、ヒビひとつありません(あったら大変ですけど…)。構造は鉄筋コンクリートです。大正時代に135〜7mもの塔を現場打ち ※1 で、しかもコールドジョイント ※2 を防ぐために24時間体制で休み無く工事を続けたというのですから感嘆します。いやホントに見事な施工ですよ。
※1:コンクリートを型枠に流し込む作業を「打つ」という。
※2:前の層のコンクリートが硬化した後に次のコンクリートを打つと、その境目の付着性が低いために構造上の欠陥となる。
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09 塔の基部。ミカン畑にいきなり建っています。
10 メンテナンス用の出入口。内部は空洞で頂点まで梯子が伸びています。役目を終えた今でも、航空標識灯の電球の交換のために人が昇ることがあるそうです。
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11 2006年に開通した新西海橋の歩道が無線塔を眺める絶好のポジションです。歩道は車道の橋桁の下部にあって、新西海橋に隣接する一般道の西海橋(つまり橋が2本並んでいる)のたもとにある駐車場から徒歩で行くことができます。
注意! 幹線道路からもその姿は望めますが、塔が建っている地点に接近するルートはかなり分かりにくいです。なお、3本の塔は佐世保海上保安部またはミカン畑の敷地内にあります。よって正確な立地点や接近ルートの問い合わせにはお答えできません。このことを認識した上、見学の際は自己責任で行動してください。何らかのトラブルが生じても当サイトは関知しません。
地図中央の3つのマーカーが無線塔の位置を示しています。右下はビューポイントである新西海橋の位置です。
関連サイト:
参考文献:
- 「九州遺産 近現代遺産編101」(砂田光紀、弦書房)
- 「カラー版 近代化遺産を歩く」175頁(増田彰久、中公新書1604、中央公論新社)
最終更新日:2008年7月2日
作成日:2002年12月9日
撮影時期:2002年10月、11のみ2006年12月
作成者:タケ(旧名 tks )(
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